事務職では、電話対応も仕事内容に含まれます。電話に苦手意識がある人だと、「電話対応は緊張する」「言葉遣いが難しい」などの悩みを抱えてしまうのではないでしょうか?
今回は、事務職の電話対応の基本的なマナーや、状況に応じた電話対応の例文をご紹介します。
ビジネスシーンにおける電話対応は、「丁寧な話し方」と「正しい言葉遣い」が基本です。電話をする時は、声のトーンを上げて相手が聞き取りやすい話し方を意識しましょう。早口になったりだらだらと話すのは、印象が悪くなるだけでなく、要件が伝わらずに伝達ミスを引き起こす原因になってしまいます。
また、言葉遣いが悪かったり敬語が使えないと、非常識なイメージを与えてしまいます。電話対応でよく使う言葉やビジネスシーンで使われる敬語は、把握しておく必要があります。
勤務中の電話は会社の代表という自覚をもって、対応する必要があります。電話の対応が悪いと会社のイメージダウンにつながり、今後の取り引きにも影響が出てしまうかもしれません。
たとえ新人であってもアルバイトだとしても、相手にとっては関係ないことなので、電話対応は丁寧なやりとりを心がけましょう。
電話がかかってきた時は、3コール以内に取ることがビジネスマナーの基本です。これ以上待たせてしまった場合は、「お待たせいたしました」と一言付け加えてから出るようにしましょう。
電話を切る際に、相手より先に受話器を置いてしまうのはマナー違反です。相手が電話を切ったことを確認した上で、受話器をおくようにしましょう。
こちらから電話をかけた時は先に電話を切る必要があるので、その場合は、受話器を雑に置くのではなく静かに切ることを意識します。
電話をする時の第一声は「もしもし」という言葉を使いますが、ビジネスシーンでは「もしもし」は使いません。電話に出る時は、「お電話ありがとうございます」や「はい、◯◯会社です」と会社名を言います。
こちらから電話をかける時は、「お世話になっております」と一言添えてから名乗るようにしましょう。
クッション言葉は、丁寧さや謙虚さを感じられるため、ビジネスシーンではよく使われる言葉です。
クッション言葉の例としては、「恐れ入りますが」「差し支えなければ」「失礼ですが」「お手数おかけしますが」「お忙しいところ申し訳ありませんが」「あいにく」などがよく使われます。電話対応以外にも、ビジネスメールでもよく使われる言葉なので、相手に依頼をする時や断る際に使うようにしましょう。
電話対応で好感をもってもらうためには、正しい敬語を使う必要があります。事務職の電話対応でよく使う敬語をご紹介します。
尊敬語 | 謙譲語 | |
---|---|---|
言う | おっしゃる | 申す、申し上げる |
行く | いらっしゃる | うかがう |
知る | ご存知、お知りになる | 存じ上げる、存じる |
する | される、なさる | いたす |
聞く | お聞きになる | うかがう |
会う | お会いになる | お目にかかる |
待つ | お待ちになる | お待ちする |
伝える | お伝えになる | 申し伝える |
見る | ご覧になる | 拝見する |
わかる | ご理解いただく | 承知する |
会社 | 御社 | 弊社 |
電話対応では、聞き間違えを防ぐために必ずメモを取るようにしましょう。
・電話を受けた日時
・相手の会社名・名前
・用件
・連絡先
・折り返しが必要か(時間の指定があればその時間も)
・自分の名前(電話の対応をした人の名前)
聞いたことは復唱してミスのないように気をつけます。メモを取ったら、担当者に電話があった旨を伝えるようにしましょう。メモを取る時は、箇条書きで簡潔にまとめて、確実に担当者に伝達することが重要です。
パターン1、担当者に電話を取り次ぐ時
パターン2、担当者が不在の時
パターン3、質問に答えられなかった時
事務職は電話対応をする場面も多いため、慣れるまでは緊張してうまく話せなかったり、敬語の使い方がわからずに戸惑ってしまうこともあると思います。ただ、何度か繰り返すうちに、徐々に電話対応のスキルは身につくため、少しずつ覚えていきましょう。
電話対応はいくら正しい敬語が使えても、心がこもっていない機械的な対応は相手にも伝わってしまうため、「上手に話す」ことを意識するよりも、「丁寧に話す」ことを意識して対応することが大切です。