パートタイムとは、どのような働き方をすることができるのでしょうか? よく主婦やママなどの結婚している人が働くことをパートと呼びますが、アルバイトや正社員とどんな違いがあるのかも気になりますよね。
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パートタイムとは、正式にはパートタイム労働者と呼ばれ、「1週間の所定労働時間が、同じ事業社に雇用されている通常の労働者の1週間の所定労働時間に比べて短い労働者」という区分になります。正社員と比較して、働く時間が短い人がパートタイム労働者に当てはまります。
パートタイム労働者は、この条件に該当する人のことを指すため、呼び方は違えどアルバイトも同じです。ただ、一般的にアルバイトは「学生や10〜20代の若い世代」を指し、パートタイムは「主婦や子育て中のママ」を想定して使われています。
正社員は無期雇用で月給制です。仕事内容は、会社の利益に貢献するための、責任ある仕事を任されます。経験や実績に応じて昇給や昇進することができるのも正社員ならでは。また、賞与があることや福利厚生が充実していることも正社員の特徴です。
パートタイムは、有期雇用の場合もあり、給料は時給制のため働いた時間分が支払われる仕組みです。賞与が支給される場合もありますが、正社員と比べると少額であることがほとんどです。働く時間の融通がきくので、学業やプライベートとの両立がしやすい点がメリットといえるでしょう。
パートタイムに関わらず、どの雇用形態でも労働時間は「1日8時間以内、週40時間以内」と決められています。もしこれを超えるようであれば、残業代が発生します。
ただ、主婦やママがパートタイムとして働く場合、扶養から外れないように働く時間を調整する必要があります。年収が103万円を超えると所得税の課税対象となり、130万円を超えると夫の社会保険の扶養から外れてしまうため、自分で健康保険や厚生年金をかけなくてはいけなくなります。そうすると、自分や夫の手取りの収入が減ってしまう場合があります。
そのため、パートタイムで働くなら、この壁を超えることのないようにシフトを組んでもらったり、夫婦で働き方を相談する必要があるでしょう。
パートタイムでも有給を取得することは可能です。ただし、有給を取得するには条件があり、「6ヶ月以上勤務していること」「全労働日の8割以上出勤したこと」の2つを満たした人に与えられます。
以下の表をご参考にしてみてください。
勤続期間 | 有給の日数 |
---|---|
6ヶ月 | 10日 |
1年6ヶ月 | 11日 |
2年6ヶ月 | 12日 |
3年6ヶ月 | 14日 |
4年6ヶ月 | 16日 |
5年6ヶ月 | 18日 |
6年6ヶ月以上 | 20日 |
週所定労働日数 | 1年間の労働日数 | 勤続年数 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
0.5年 | 1年 5ヶ月 |
2年 5ヶ月 |
3年 5ヶ月 |
4年 5ヶ月 |
5年 5ヶ月 |
6年 5ヶ月以上 |
||
4日 | 169日〜 216日 |
7日 | 8日 | 9日 | 10日 | 12日 | 13日 | 15日 |
3日 | 121日〜 168日 |
5日 | 6日 | 6日 | 8日 | 9日 | 10日 | 11日 |
2日 | 73日〜 120日 |
3日 | 4日 | 4日 | 5日 | 6日 | 6日 | 7日 |
1日 | 48日〜 72日 |
1日 | 2日 | 2日 | 2日 | 3日 | 3日 | 3日 |
産休や育休の取得は、雇用形態に関わらず、誰もが取得できる制度です。妊娠したら、パートタイムでも産休や育休は取得できるので安心して働くことができます。
・産休:出産予定日の6週間前〜産後8週間
・育休:子どもが1歳になるまで(事情によっては最長2歳まで可能)
・出産育児一時金:「出産育児一時金」は、出産時に一児につき50万円(令和5年4月より適用)が支給される制度。健康保険に加入していれば支払われるため、誰でも受け取れるお金です。
・出産手当金:「出産手当金」は、勤務先の健康保険組合から支給されるお金です。出産で働けない期間をサポートをする目的で支払われます。出産手当金は、被保険者である女性が受け取ることができるお金のため、夫の扶養に入っている人は対象外となります。
・育児休業給付金:雇用保険に加入している人が受け取れる「育児休業給付金」は、育児休業を取得した場合に支給されます。
社会保険とは、厚生年金保険や健康保険などの保険制度のことですが、パートタイムでも条件を満たせば加入することができます。
・1週間あたり所定労働時間が20時間以上である
・1ヵ月あたりの月額賃金が88,000円以上である
・雇用期間が2ヶ月以上である
・学生ではない
・従業員数101人以上の企業で働いている(2022年10月から)
夫の扶養から外れて自分で社会保険に加入する場合は、この条件に該当する必要があります。ただ、パートタイムで社会保険に加入し、世帯収入が減ってしまっては働き損になってしまうだけなので、収入がプラスになるように働く時間や日数を調整することがポイントです。
パートタイム労働法とは、簡単に言うと「正社員との不合理な格差をなくすこと」を目的とした法律です。よくパートタイムだと、「正社員と同等の仕事を任されるのに給料が少ない」「手当や待遇が悪い」などの不満の声が聞かれます。
そのような扱いの差を禁止し、雇用形態に関わらず、労働者が納得して仕事を続けられる環境を整える必要があり、「同一労働同一賃金」を目的としています。
パートタイムは、正社員と比べると働く時間や日数にゆとりをもてたり、自分のライフスタイルに合わせて働くことができます。近年は「パートだから」という理由で不遇な扱いを受けたり、差別されることもなくなってきているため、安心して働くことができるでしょう。