デパートで働く人は、販売員以外にも様々な職種があることを知っていますか?裏で支える仕事や顧客との関わりが多い仕事など、デパートならではの経験ができたりスキルアップにつながる仕事もあります。
今回は、販売職をはじめとした、デパートの職種についてご紹介します。
デパートとは、食品、衣料品、雑貨、インテリアなど、衣食住に関する商品を販売している大型の商業施設のことです。デパートは百貨店とも呼ばれます。
デパートの定義として、商業統計調査の基準によると「売り場面積3000㎡以上(都特別区及び政令指定都市は6000㎡以上) 」「衣・食・住の小売販売額がいずれも10%以上70%未満の範囲内にあると同時に、従業者が常時50人以上おり、かつ売り場面積の50%以上において対面販売を行う業態」とされています。
また、百貨店協会へ加入をしていることも、デパートの特徴です。百貨店協会に加入していると、「全国百貨店共通商品券」が使えます。お客様視点では、「全国百貨店共通商品券を使用することができる所がデパートである」という認識で良いでしょう。
担当する売り場で、お客様に接客・販売、在庫管理、発注、売り場づくりなどを行う仕事です。売り場によって必要になる知識や求められることが違うため、柔軟に対応しなくてはいけません。
デパートの販売員は、異動で違うフロアに配属されることもあるため、その都度商品の知識や理解を深める必要があるでしょう。接客態度や立ち居振る舞いに気を遣い、お客様のニーズに合った接客が求められます。
デパートの営業には、「内勤営業」と「外商営業」があります。内勤営業は、デパートに来店されたお客様に商品やサービスを提供する仕事です。販売員と共通する仕事もありますが、内勤営業は様々な売り場で接客業務を行います。また、電話対応やネットからの注文や問い合わせに対応するなど、お客様に関わる業務全般を担当しています。
外商営業は、顧客の好みやニーズに合った商品を選び、顧客の自宅へ訪問したり、買い物に同行して顧客に直接販売を行う仕事です。また、個人ではなく企業や団体に販促品やノベルティなどの企画や提案を行う、法人外商という仕事もあります。
バイヤーは商品の買い付けや仕入れを担当する仕事です。店頭に並ぶ商品を選ぶ立場なので、責任のある仕事内容が多いでしょう。
バイヤーは常に売上を意識した買い付けを行い、また流行や顧客のニーズ、市場の流れを把握しておかなければいけません。売れる商品を選ぶための目利きが求められ、国内にとどまらず海外に買い付けに行くこともあるため、高いコミュニケーションスキルと行動力、語学力も必要になるでしょう。
デパートの催事や販促イベントの開催、また店内の装飾などの、販売促進に関わる仕事です。お客様に楽しんでもらうための催しや、季節感を取り入れたイベントや物産展の企画や運営を行います。
お客様の動向やニーズを知るためには、顧客情報を元に分析をしたりお客様のアンケートや意見を参考にする必要があります。利益を生み出すことが求められると同時に、お客様の満足度を高める取り組みが求められるでしょう。
<メリット>
デパートには老若男女、様々なお客様が来店されます。お客様一人一人に合った接客をする必要があるため、販売員として働くと接客スキルが身につくでしょう。
デパートの販売員は、言葉遣いや立ち居振る舞いなどに気を遣い、一流の接客が求められる仕事です。デパートの販売員として働いた経験は、自分のスキルアップにつながり、今後違う仕事に転職する際にも、自分の強みとしてアピールすることができるでしょう。
デパートの販売員は、別の売り場に異動となる場合もあります。例えば、化粧品販売からアパレルの販売に異動することも可能なので、デパートの販売員になると様々な経験を積むことができるでしょう。
一つのジャンルにとらわれず、いろんな商品の販売をしてみたい人や、販売員としての経験を積んだりスキルを磨きたい人は、デパートの販売員として働くのがおすすめです。
デパートは駅前にあることがほとんどなので、通勤しやすい点がメリットといえるでしょう。駅に着いたら地上に出ることなく、地下からそのままつながっているデパートも多いため、雨の日でも濡れることなく通勤することができます。
遅番で帰りが遅くなっても、すぐに電車に乗ることができるため、通勤の利便性を重視したい人にとってはメリットを感じるでしょう。
<デメリット>
デパートはショッピングセンターやファッションビルに比べて、店員に対して求められるレベルが高いため、常に高い意識をもって働く必要があります。
細かなマニュアルを覚えることに苦労したり、デパートで働く立場としてプレッシャーを感じやすい環境といえるでしょう。
デパートの販売員は、一日中立ちっぱなしの状態で勤務するため、体力が必要です。また、検品や梱包などの作業があると重いダンボールを運んだり、品出しをするためにバックヤードと店頭を行き来するなど、動き回ることも多く、体力に自信のない人は慣れるまで大変かもしれません。
仕事から帰ったらお風呂に浸かってマッサージをしたりストレッチをして、自分の身体のケアをすることが大切です。
デパートの客層は、幅広い年代のお客様が来店されます。ファッションビルの場合は、10〜20代向けのブランドが多いため客層も若い人が中心ですが、デパートは年配のお客様も多く、また経済的にゆとりのある人や外国人観光客なども来店されることが特徴です。
デパートは衣料品のみならず、「デパ地下」として親しまれている食品売り場や、「デパコス」と呼ばれる化粧品売り場があることも魅力の一つ。ハイブランド品を販売していることもデパートならではの特徴といえるでしょう。
デパートだからこそ得られる特別感や高級感を生み出すのは、商品以外にも店員の接客態度や心がけていることも大きく影響しています。
例えば、デパートで働く人のルールとして、「従業員用のバックルームに行く時は、フロアの方を向いて一礼する」「お手洗いや休憩に行く時は隠語を使用する」「お辞儀の角度が決まっている」「開店直後は店頭に立って挨拶をする」など、細かなことが決められています。
これらのルールは、お客様に気持ちよく買い物をしてもらうための、ホスピタリティ精神の表れだといえます。細かなマニュアルやルールを意識しながら働くことは、時代に合っていないと感じる人もいるかもしれませんが、幅広い層のお客様が来店するデパートでは、このような配慮やおもてなしの気持ちは今後も大切にしていかなければいけない部分です。
デパートで働くと、ワンランク上の接客やスキルが身につき、自分自身の成長にもつながります。品のある立ち居振る舞いや言葉遣いも学ぶことができるため、デパートで働く人は、他の販売員と比較しても、レベルが高い人が多いでしょう。
デパートで働くことはハードルが高そうなイメージがあるかもしれませんが、その分教育制度や研修制度が整っているため、スキルを身につけることが可能です。
自分の成長につながるデパートの仕事に、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか?