面接に受かる人は、事前の準備がしっかりできている場合がほとんどです。ただ、面接の準備と言われても、具体的に何をすればいいのかわからない人も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、接客業の面接対策のポイントを伝授します。
INDEX
書類選考とは、応募者の履歴書や職務経歴書をチェックし、面接をするかどうかを判定するための作業です。面接を受けるためには書類選考を通過する必要があるため、履歴書や職務経歴書は丁寧に記入しましょう。
書類選考が通過した応募者は、一次面接を受けます。一次面接では、応募者の志望動機、人柄や接客業の適性の有無をチェックしています。
面接官は、人事担当者や店舗の店長・副店長が行うことが多いでしょう。
一次面接に合格した応募者は、次のステップである二次面接に進みます。二次面接では、一次面接と同じ質問をされることもありますが、応募者をより深掘りするための質問が想定されます。基本的な部分は一次面接と一貫性のある回答を心がけ、意欲や熱意を具体的にアピールすることが大切です。
二次面接の面接官は、店長やマネージャー、部長などの役職のある人が担当します。
最終面接に進むと、役員や社長が面接官として同席することも多いです。応募先に働く意欲をアピールする最後のチャンスなので、熱意が伝わる回答を目指しましょう。
最終面接では、実際に働くことを想定した質問や希望する配属先などを聞かれる場合もあるため、明確な回答ができるように準備しておくと安心です。
①入室の際はドアを3回ノックし、面接官の反応があったら「失礼いたします」と言ってから入ります。入室したらドアの方に体を向けて閉め、面接官の方に向きを変えてお辞儀をします。
②入室したら椅子まで歩いて横に立ち、面接官の指示に従います。(「お掛けください」「名前をお願いします」などの言葉をかけられる)
③椅子に掛けるように言われてから「失礼いたします」と、軽くお辞儀をしてから着席します。バッグは椅子の横に置きます。
面接の所要時間は、30分〜1時間程度が目安です。個人面接かグループ面接、一次面接か最終面接かによっても差はありますが、面接中は緊張感をもって受け答えに集中しましょう。
①面接が終わったら椅子から立って「本日はありがとうございました」と言ってから深くお辞儀をします。
②ドアの前まで行ったら、面接官の方を向き「失礼いたします」と言ってお辞儀をしてから退室します。最後まで気を抜くことなく、所作や立ち居振る舞いにまで気を配ることが大切です。
面接を受ける前には、応募先の下調べを行いましょう。応募先の企業理念や事業内容は、必ず把握しておきたい部分です。
下調べをして応募先の知識を深めると、明確な志望動機を考えることができるため、入念に行いましょう。また、実際に店に行って雰囲気を知っておくことも大切です。
実際の質疑応答を想定したシミュレーションをしておくと、落ち着いて面接に臨むことができます。面接でよく聞かれる質問に対し、どのように回答するかを練習し、何度もブラッシュアップする作業が大切です。
面接日時や場所の確認は、早めにしておくと安心です。公共交通機関を利用する場合は、時刻の確認も忘れずにしておきましょう。
履歴書は、応募者のプロフィールや志望動機などをまとめた書類なので、面接には忘れずに持っていかなければいけません。記入漏れや証明写真の貼り忘れがないかを確認し、クリアファイルに入れて持っていくと安心です。
職務経歴書は、これまでの職歴や業務経験などをまとめた書類のことで、接客業に転職する際に必要になります。採用担当者は、職務経歴書のスキルや経験から「求める人物像にマッチしているか」を見ています。
特に中途採用では、即戦力となって活躍できる人を採用する傾向にあるため、これまでの実績で活かせる経験やスキルをアピールすることがポイントです。
接客業は正しい敬語の使い方や、丁寧な言葉遣いが求められます。誤った言葉遣いをしてしまうと「常識がない」「接客業で働く適性がない」と判断され、印象が悪くなる可能性が高いでしょう。
特に接客業で注意しないといけないのが「バイト敬語」と呼ばれる言葉遣いです。敬語を使っているように聞こえて、実際は使い方を間違っているのがバイト敬語の特徴なので、勘違いをしたまま使っていないか、改めて自分の言葉遣いを見直してみましょう。
・「大丈夫です」→「問題ありません」
・「了解です」→「承知いたしました」
・「なるほどです」→「おっしゃる通りです」
・「ごめんなさい」→「申し訳ございません」
・「よろしかったでしょうか」→「よろしいでしょうか」
・「〜になります」→「〜でございます」
面接会場に着くのは、面接時間の5〜10分前が理想的です。当然ながら遅刻は厳禁ですが、早く到着しすぎるのも非常識なので、少し余裕を持って到着するのが望ましいでしょう。
面接会場に着いたら、面接に来たことを受付スタッフに伝える必要があります。接客業の面接は店で行う場合も多いため、その時は接客をしていないスタッフに声をかけましょう。
声のかけ方は「本日、◯時から面接のお約束で伺いました◯◯と申します」と伝えて、案内に従いましょう。
面接場所は、オフィスビルや会議室を借りて行う場合もあります。受付スタッフが常駐していない場合は、インターホンや内線電話を使用して担当者を呼び出しましょう。
「2、入室してから退出するまでの流れ」でご紹介した通り、面接会場に入室する時と退室する時にはマナーがあります。
会場の大きさや個人面接かグループ面接かによって、臨機応変に対応しなくてはいけませんが、入退室の基本マナーは覚えておきましょう。
志望動機は、応募者の働く意欲や熱意を知るための質問です。面接では必ず聞かれる質問なので、具体的に回答できるようにしておきましょう。
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【回答例あり】接客業の面接でマネしたい志望動機
自己PRは、応募者のスキル・経験・強みを知るための質問です。この質問では「自社が求める人物像とマッチするか」「どんなスキルを活かして活躍してくれるか」などを把握する目的があります。
応募先で活かせることや自分の強みをアピールできる自己PRを考えましょう。また、自己PRは「1分以内に」と時間制限を設けられる場合もあります。時間内に自分を最大限にアピールできるよう、事前にシミュレーションをしておくと安心です。
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【例文あり】接客業の面接で好印象な自己PR
自分の性格を「客観視できているか」をチェックする目的で聞かれる質問です。応募者の人柄を詳しく知るために、長所と短所という聞き方をされる場合が多いので、それぞれ回答できるようにしましょう。
短所を答える時は「改善するために何をしているか」と、克服するための努力も答えると好印象を与えられます。
即戦力となって活躍できる人材を求める場合、接客経験の有無を聞かれることもあります。
ただし、接客業は未経験者を歓迎する店も多いため、経験がない場合は正直に答えてOK。未経験の場合は、意欲の高さややる気をアピールしましょう。
面接の最後に、応募者からの逆質問を受け付けるために「最後に何か質問はありますか?」と聞かれることがあります。
逆質問で聞くことは、仕事内容や職場環境、キャリアアップについてなどが好ましいでしょう。給与や待遇などの逆質問は、面接官によってはマイナスな印象を持つ場合もあるため、避けた方が無難です。
・「入社までに何か準備することはありますか?」
・「キャリアアップ例を教えてください」
・「シフトはどのように決まりますか?」
・「◯◯の業務をするにあたって、必要なスキルや知識はありますか?」
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【回答例あり】接客業の面接で好感を持たれる逆質問
接客業は清潔感を重視されるため、面接に来て行く服もさわやかで好感を持たれるものを選びましょう。私服面接の場合は、応募先のイメージに合った服を選ぶことがポイントです。
また、服にシワや汚れがついていないかをチェックし、清潔感を意識した服装を心がけましょう。
面接のメイクは、ナチュラルメイクが基本です。派手なメイクや個性的なメイクは、面接マナーとしてふさわしくないため控えましょう。
また、ノーメイクもNGです。メイクは身だしなみの一つとしてやっておく方が、好印象を与えることができます。
髪型も、服装と同じように清潔感を意識することが大切です。面接では顔や表情をチェックされているため、髪が顔にかかってしまうと印象が悪くなってしまいます。
そのため、髪が長い人は一つにまとめたり、顔にかからないようにピンで留めたりと工夫が必要です。
髪色は、金髪や派手な髪色は控えた方がよいでしょう。特に、ホテルや受付の仕事では髪色の規定を設けていることが多いので、6〜7トーンまでを目安にしておくと安心です。
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接客業の面接に適した服装・髪・メイクなど身だしなみのマナー
メールの件名には、どんな内容かが一目でわかるように書くのがマナーです。面接の件なら「面接日程の件」「面接日程調整の件」など、一目で把握できるように書きましょう。
返信をすると「Re:」が件名に入りますが、これは消さずにそのままの状態でメールを送るのが基本です。
宛名は、応募先の企業名と担当者名を書きます。面接官や人事担当者の名前を書くようにしましょう。
メールの冒頭ではいきなり用件に入るのではなく、あいさつ文を書く必要があります。一般的には「いつもお世話になっております」と書くのがマナーです。
あいさつの後に、自分の名前を書きましょう。
メールの本文は用件をわかりやすく、できるだけ簡潔に書くのが理想です。まずは、伝えたい用件を書き、その後に詳細や補足を書きます。伝えたい内容が複数ある場合は、箇条書きにして書くと見やすくなります。
また、改行をすると文章の見栄えがよくなるため、メールを受信する側が読みやすくなる配慮も必要です。
用件を書いたら、最後に締めのあいさつ文を書きます。締めのあいさつは「何卒よろしくお願いいたします」「ご確認よろしくお願いいたします」などが一般的です。
本文の内容に応じて、締めのあいさつ文は臨機応変に書きましょう。
メールの最後には、自分の名前を必ず書きましょう。名前以外にも、電話番号やメールアドレスなども書いておくと、丁寧なメールになります。
面接の日程調整や変更の連絡を、メールや電話で行う場合もあります。応募先と連絡をする際は、就業時間内に送るのがマナーです。
メールはいつでも送信できるのがメリットですが、深夜や早朝などの時間帯に送ってしまうと「非常識な人」と判断される可能性が高いでしょう。
応募先からメールが届いたら、すぐに返信するのがマナーです。遅くとも24時間以内には返信するようにしましょう。
すぐに返信するのが難しい時は「確認でき次第ご連絡させていただきます」というメールを送っておくと、丁寧な印象を与えることができます。
遅刻をしそうになった時は、早めの連絡が肝心です。遅刻の連絡は緊急を要する事態なので、メールではなく電話で行いましょう。
遅刻をしたら不採用になりそうなイメージがありますが、面接時間を変更してくれたり別日に調整してくれたりと、柔軟に対応してくれる場合が多いため、早めに連絡をすることが大切です。
くれぐれも無断で遅刻したりドタキャンしたりすることのないよう、常識的な行動を心がけましょう。
・履歴書や職務経歴書に記入漏れはないか
・写真は貼り忘れていないか
・そのほかの持ち物は準備したか(筆記用具、応募先に指定された物など)
・面接時間と場所の確認
・面接会場までのルートや公共交通機関の時刻の確認(ICカードの残高確認や現金の用意)
・担当者の名前と連絡先は控えてあるか
・清潔感のある服装か
・履歴書が入るサイズの鞄か
・どんな靴を履いていくか
・腕時計の準備
・メイク道具や身だしなみを整えるアイテムは持ったか
・受け答えのシミュレーション
・入退室マナーの確認
・逆質問で聞くこと
接客業の面接に受かるためには、面接官にいかに好印象を与えるかがポイントです。万全の状態で面接を受けられるように、事前の面接対策を入念に行うようにしましょう。